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僕には超能力があるの?
僕は来る日も来る日も考えていた。
だけど此処に居る理由も何も分からなかった。
でも、何もしない訳にはいかない…
色々と実験をする事にしよう。
僕は動けない。だけど此処に居る理由が何かあるはず。動けない代わりに、きっと何か能力があるはずだ。
超能力とか、あるんじゃないか?
まずは目の前の木の葉っぱを念力で動かしてみよう。
ん~ん~えい!えい!えい~!
あっ!ちょっと動いた!これは風か?それとも僕の念力なのか?いや、僕の念力だ!多分…
僕は自分の可能性を信じて訓練し続けていた。
今日もまた訓練していると、またおばあさんがやって来た。
心の声
(あれっ、今日は2人だな。隣にはおじいさんがいるな。)
仲の良さそうな、おじいさんとおばあさんは、ゆっくりゆっくりと歩いて来る。
僕の前に来ると立ち止まり、今度は2人で僕を拭いてくれた。
心の声
(うぉ~2人で拭いてくれるなんて、とても気持ちが良い。有り難い。天国に居るみたいだ!ありがとう。おじいさん、おばあさん。)
「ねぇ、おじいさん、可愛い猫ちゃんの置物でしょう?」
「そうだね。おばあさん。また通ったら拭いてあげよう。」
そんな話を交わしながら暫くすると、ゆっくりゆっくりと歩いて行った。
2人の背中を見ていると2人の行く道の先に大きめの石が地面から突き出していた。
心の声
(うわ~あれは足が引っ掛かったら大怪我だ!よろけたら左側は崖になっていて落ちたら命は無いかもしれない。どうにかして助けなきゃ!僕の超能力を使う時が来た!やるしかない!)
えい!えい!えい!えい!え~い!
心の声
(あれっ?!全然いつもの成果が出ないぞ!危ない!!!あと、2歩で躓いてしまう!!!)
えい~!!!!!
心の声
(あっ!良かった!動いた!間一髪の所で動かせた!)
その転がった石が不自然に動いたせいで、おじいさんとおばあさんはビックリしていた。
その後、振り返り僕にお辞儀をしてニッコリ笑っている。
心の声
(あっ、バレたか?僕が動かしたってバレても良かったのかな?助ける事だけに集中し過ぎて、後の事考えるの忘れてた!まぁ、過ぎた事は仕方ないな。でも助かって良かった。
バレたかもしれないけど良い事をしたんだし、まぁいっか。
あんなに素敵な笑顔されたら、また良い事をしたいなと意欲が増してくるもんだな。)
そんな事、思いつつ自由自在に超能力を操れる様に僕はまた訓練を続けた。
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