再会

1/1
前へ
/6ページ
次へ

再会

あれから1ヶ月程経った、ある日の事。 心の声 (何だか今日は、あまり人が来ないな~。やっぱり、助ける人が来なきゃ張り合い無いっていうか、何かつまらないな~。誰か来ないかな~。) こんな事考えていると遠くから、男女のカップルが、ゆっくり歩いて来る。 心の声 (あっ!!あの時の女性じゃん!!手には大きめの袋持ってるな。まさか、来るのが遅くなってしまったから、ねこ神様1ヶ月分のいちご大福30個持ってきました!な~んてね!多分そうだと思うな。何て律儀な女性なんだ!感心するな、早く来い、はや歩きしなさい。走りなさいよ。あっ、僕の欲求がただ漏れになってしまった!神なのに、ヤバイヤバイ。) そんな想像しているうちに、男女のカップルは、僕の前にたどり着き、しゃがみ込んだ。 「久しぶり。この間は助けてくれて、ありがとう。前に話した此処を教えてくれた彼がこの人だよ。彼と付き合う事になったの。今はとても幸せだよ。」 心の声 (良い、良い、そんな事は早く、いちご大福を出しなさいよ。お供えしなさいよ。遅いよ~普通、最初にお供えするよね?) 「タマオ、久しぶり。僕の事覚えてるかな?」 心の声 (はぁ?何?タマオって!いちご大福、早くして……ょ… あれっ?何だか懐かしい声?聞き覚えがあるような…この人誰…?) 「タマオ、僕が作った事覚えてる?あの頃、毎日君を磨きながら話かけていた事思い出すと何だか幸せな気分になるよ。」 (そうだった!思い出したよ!お兄さん。僕を丁寧に毎日、磨いてくれて僕は毎日幸せだったよ。だけど、急に知らない、おじさんの所に引き取られ、段々と記憶が消えて僕も誰だかも分からなくなって、気が付いたら此処に居たんだ。またお兄さんと会えて嬉しいよ。) 僕は知らず知らずのうちに念力で、そう伝えた。 「ごめんな。タマオ。あの頃、僕が働いていた会社の社長が友達に僕の知らないうちにあげてしまって、何も言えなかったんだ。ずっとタマオの事考えていたよ。始めて僕が作った僕の子供の様なものだからね。その後のタマオが、どうなったかは知るよしもなくて、1ヶ月程前に初めてネットで知った時、嬉しくて、すぐに会いに来たかったけど中々、来れずにいたんだ。その頃、僕の隣の大切な彼女を連れて行きたいと此処の事話したんだ。彼女は抜け駆けしたみたいだけどね。彼女から全部、この間の事聞いたよ。僕の大切な人を救ってくれて、そして僕らが上手くいったのも、タマオのお陰だよ。タマオ、ありがとう。タマオは僕達の命の恩人と恋のキューピットだよ。」 僕は超能力を最大限に活かし、2人に強い念力で伝えた。 (お兄さん、僕全部思い出したよ。僕を作ってくれて、ありがとう!色々あったけど、僕は今幸せだよ。何だか、ねこ神様になっちゃったみたいだけど今は毎日、誰かを助けて感謝してくれてお供え物も貰えて、大切にしてもらっていて、いつも心がポカポカだよ。全部お兄さんのお陰だよ。ありがとう、お兄さん。僕は、これからも皆を助け続けるよ!) 「うん!タマオ、僕も鼻が高いよ。素晴らしい、ねこ神様に成長してくれて。これからも、また会いに来るからね、タマオ。」 (うん!お兄さん、大好きだよ。いつでも待ってる。2人を見守ってるから。 あっ、お兄さん、僕忘れてた! 隣の彼女、そなた、何か忘れておらぬか?) 「えっ?私?何だろう?何かあったっけ?」 (こらっ!いちご大福、約束したであろう!) 「あっ、ごめんごめん。忘れてた!今出すね!」 心の声 (さぞかし多いだろうね…楽しみだ!) 「はいっ、どうぞ!前に2個って言ってたけど、1個多めの3個にしてみました!救ってくれた感謝の気持ちを込めて。」 心の声 (えっ?3個?30個の間違えじゃないの?) 僕は念力で言葉が漏れた! (え~助けたのに~!3個かよ!) 心の声 (ヤバイヤバイ!神として、見返りを求めてるなど、あるまじき言葉が出てしまった!) (ゴホッ、今のは聞かなかった事に!でも、その大きめの袋には何が入っておるのじゃ?) 「あっ、これはご飯待ってる、猫ちゃん達の~猫ちゃん大好きだから沢山買ってきちゃった!」 (僕も~猫~ですがね~!!!ねこ神様~ですが~!!!) そんな、甘~いお供え物に目がない僕ですが、何だかんだ、ねこ神様として頑張っている。 この場所には毎日、おじいさんやおばあさん、沢山の猫達や、悩んでいる人が来たり色々な人が訪れているが、皆幸せになって帰っていく。そんな場所だ。それは、やっぱ神!ねこ神様の僕がいるからっしょ!!! いつでも誰でもウエルカムだよ!まあ、僕の手にかかれば秒で解決!余裕で幸せに出来るからねっ!!!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加