ラブソング パート2

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ラブソング パート2

別にモヤシ男に会いに来たわけじゃない。都子は上野に用事があるのだ。何度でも来たい用事が。 ただし、今日もまたそれで疲れ切って、そいつの前にたどり着いたのは、棒状になった足を引きずって、だった。 「♪そ~の~、色白でふくよかな、お布団のような~、温かそうな君、お風呂とどっちがあ~ああ何て可愛い♪」 モヤシは、またもこっちを見ながら今度はそんな風に歌った。それはまたも都子の不快のツボを突いた。 悪かったわね。テニス部なのに一人だけ黒くならなくて白焼けのブタさんデブさんだったよあたしは。ふくよかって、要はブタさんデブさん二乗ってこっちゃないの! それをお布団とかお風呂とか、何なの……キモい。キモすぎる。 都子は2歩飛び退いた直後にはダッシュで逃げ去っていた。
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