スズメとムクドリ

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スズメとムクドリ

耳を澄まさずともここではよく鳥の、僕の仲間たちのさえずりの声が聞こえて くる。ここは小鳥村。僕の住んでいる鳥のための楽園。あ、自己紹介がまだ だったね。僕はスズメ。この物語の主人公だ。メタ発言の一つや二つ許してく れよ。実際にそうなんだから。 ?「誰に向かって話してんだよ」 スズメ「この物語を見ている人たちに自己紹介をしていたんだ。ムクドリ君。」 ムクドリ「いや、だから誰だよ。」 彼はムクドリ君。僕の友達で、よく人間の街に一緒に遊びに行くんだ。今日も この木の上で待ち合わせをしていたんだ。 ムクドリ「まったく、今日はどこに行くんだ?ていうか行先くらい前もって教 えてくれてもいいだろ?人間の社会だと、そーゆーの『ほーれんそー』ができてないっていうらしいぜ?」 スズメ「ほーれんそー?あのおいしい葉っぱだよね?」 ムクドリ「そうだな。意味は俺も知らん。」 スズメ「ま、いっか。」 ムクドリ「いやよくねえよ。」 スズメ「とりあえず今日は村の近くの森に行こうかなって。」 ムクドリ「そういやあそろそろどんぐりが取れる時期だったな」 スズメ「おいしいよねー。」 ムクドリ「まあ、たまに食いたくなるよな。」 スズメ「そうそう!毎日だと飽きるけど秋になるとたまに食べたくなるという か…。」 ムクドリ「おまえ去年喰いすぎて太ったもんな!いやあ傑作だったぜ。あのときの丸々としたお前の腹!」 スズメ「違いますー。あれは冬毛ですー。」 ムクドリ「じゃあなんであの時飛行能力が落ちてたんだよ。」 スズメ「それは…ええと……とにかく!早く行こうよ!」 ムクドリ「あ、ごまかした。」  そうして、僕たちは他愛のない会話をしつつどんぐりの木がたくさんある森に向かったんだけど…。
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