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助けて!カラスさん!
ムクドリ「…やっぱりあそこに行くか?」
スズメ「あそこ?」
ムクドリ「察しがわりーな。あの鳥の巣だよ。」
スズメ「あー。分かったかも。」
ムクドリ「多めにどんぐりを持ってきてくれて助かったぜ。…全部食ってないよな?」
スズメ「…いくつか残ってる。」
ムクドリ「あまり残ってなかったからしゃーないわ。とにかく、行くぞ。」
そうして僕らはとある鳥の巣に向かうことにした。…ほんとはあまり行きたくないんだけどな。だって、怖いんだもん。巣も、住んでいる鳥も。
ムクドリ「ごめんくださーい!」
スズメ「お時間よろしいですかー!」
ムクドリ「まずいるかどうか確認しろよ!」
?「ムクドリさんの言う通りですよ。もっとも、今は見ての通り巣にいますがね。」
スズメ「お、お久しぶりです!カラスさん。」
カラス「あまり怖がらないでくださいよ。地味に傷つくんですから。」
ムクドリ「しゃあないと思いますよ。あんたでかいし、強いし、巣もなんですかこれ、めっちゃパンクじゃないっすか。」
カラス「パンクって…ただの金属じゃないですか。ハンガーとか、金だわしとか。」
ムクドリ「聞いたことねえよそんなもん…。」
スズメ「なにそれ…。」
カラス「ああ、人間の使う道具なのですが、聞きなじみがありませんでしたか?」
ムクドリ「聞いたことないし、金属って聞くと前教えてくれた車が頭をよぎって身の毛がよだつんですよー。」
スズメ「僕らはよく町に行くしね。」
カラス「まあ車は怖いですよねー。」
ムクドリ「あ、そうそう。これ、お土産のどんぐりです。」
カラス「おや、これはありがとうございます。おいしいんですよねー、どんぐり。」
スズメ「それで、実は相談があって…。」
カラス「君がここに来たということはそういうことですからね。」
ムクドリ「やっぱわかってましたか。」
カラス「ええ、それで要件はなんですか?」
ムクドリ「実はこのどんぐりについてなんです。」
カラス「どんぐりについて?」
スズメ「はい…。」
ムクドリ「俺たち、どんぐりを取りにいつもの森に行ったんです。」
カラス「池のある森ですね。」
ムクドリ「はい…。そこでどんぐ「どんぐりがほとんど落ちていなかった。」」
ムクドリ「!」
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