9人が本棚に入れています
本棚に追加
美味しい木の実
スズメ「なに?このとげとげ。」
ムクドリ「これは…食えんのか?」
カラス「外は無理ですが、中身はとってもおいしいですよ。」
ムクドリ「へー。で、どーやって食うんすか?これ。」
カラス「任せてください。」
そう言ってカラスさんは僕らを連れてまた少し移動した。そこにあったのは、あの恐ろしい車の走る道だった。
スズメ「ここって…あの車の道!!?」
ムクドリ「どどどどうしてこんなところに!?」
カラス「大丈夫ですよ。任せてください。」
そういうと、カラスさんはあのとげとげを道にばらまき始めた。もともと落ちている分も合わせて結構な数だ。
カラス「このくらいでいいでしょう。」
すると遠くから何かうるさい音が聞こえ始めた。車の音とも違う、もっとやかましい音だ。
ムクドリ「なんだ!?うるさいのがこっち来るぞ!」
カラス「…来ましたね。」
そのうるさいのは一瞬で僕たちの前を通り過ぎて行った。カラスさんは上で飛んでいるから無事だ。あまりのうるささに呆然としていたら、カラスさんがつぶれたとげとげの中から何か持ってきてくれた。
カラス「ほら、これが今回のお目当てですよ。」
ムクドリ「おお、確かにうまそう!」
スズメ「これって何ですか?」
カラス「これは、人間たちが『栗』と呼んでいる木の実です。」
ムクドリ「確かにちょっとどんぐりっぽいかも?」
スズメ「食べていいですか?」
カラス「もちろん。いいですよ。」
スズメ「わーい!」
ムクドリ「あ、俺も俺も。」
スズメ「!」
ムクドリ「!」
カラス「どうです?」
スズメ「お」
ムクドリ「う」
スズメ「おいしーーーーーーーー!!!!!」
ムクドリ「うめえーーーーーーーー!!!!!」
カラス「そうでしょうそうでしょう。気に入ってくれて何よりです。」
スズメ「もっと食べたーい!」
ムクドリ「俺も欲しいっす!」
カラス「わかってますよ。少し待ってくださいね。」
最初のコメントを投稿しよう!