美味しい木の実

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美味しい木の実

スズメ「なに?このとげとげ。」 ムクドリ「これは…食えんのか?」 カラス「外は無理ですが、中身はとってもおいしいですよ。」 ムクドリ「へー。で、どーやって食うんすか?これ。」 カラス「任せてください。」 そう言ってカラスさんは僕らを連れてまた少し移動した。そこにあったのは、あの恐ろしい車の走る道だった。 スズメ「ここって…あの車の道!!?」 ムクドリ「どどどどうしてこんなところに!?」 カラス「大丈夫ですよ。任せてください。」  そういうと、カラスさんはあのとげとげを道にばらまき始めた。もともと落ちている分も合わせて結構な数だ。 カラス「このくらいでいいでしょう。」 すると遠くから何かうるさい音が聞こえ始めた。車の音とも違う、もっとやかましい音だ。 ムクドリ「なんだ!?うるさいのがこっち来るぞ!」 カラス「…来ましたね。」 そのうるさいのは一瞬で僕たちの前を通り過ぎて行った。カラスさんは上で飛んでいるから無事だ。あまりのうるささに呆然としていたら、カラスさんがつぶれたとげとげの中から何か持ってきてくれた。 カラス「ほら、これが今回のお目当てですよ。」 ムクドリ「おお、確かにうまそう!」 スズメ「これって何ですか?」 カラス「これは、人間たちが『栗』と呼んでいる木の実です。」 ムクドリ「確かにちょっとどんぐりっぽいかも?」 スズメ「食べていいですか?」 カラス「もちろん。いいですよ。」 スズメ「わーい!」 ムクドリ「あ、俺も俺も。」 スズメ「!」 ムクドリ「!」 カラス「どうです?」 スズメ「お」 ムクドリ「う」 スズメ「おいしーーーーーーーー!!!!!」 ムクドリ「うめえーーーーーーーー!!!!!」 カラス「そうでしょうそうでしょう。気に入ってくれて何よりです。」 スズメ「もっと食べたーい!」 ムクドリ「俺も欲しいっす!」 カラス「わかってますよ。少し待ってくださいね。」
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