魔晶華密輸狂騒曲

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しばらくして、再びカンパニーのドアが開けられた。そこに立っていたのは先程のステラとは正反対とも思える、長い銀髪をそよがせる凜とした印象を受ける女性。ブレザーは羽織らず、ノースリーブのシャツとスカートのみのシンプルな出で立ちだ。腰には油断なく、銀色の柄の剣が差されている。紫の瞳で窓口を見据えると、報告書を手にして差し出して来た。 「ロータス=アドラー。ただ今到着したわ。報告したいので社長に面通りを願いたいのだけれど」 「ローちゃーーん!!」 腰を折るように、ロータスにステラがしがみついてくる。心底嬉しそうなステラに対し、ロータスは不機嫌を隠そうともしない怪訝な表情だ。 「ステラ…見えないのかしら。私はまだ仕事中なのだけれど」 「そう言うなし!ローちゃんのことだし最近買い物もしてないっしょ?一緒に買い物でも行こうぜっ!」 「貴女は本当に……」 2人が騒いでいる所に、アイクの咳払いが挟まれる。さすがのステラも離れ、その言葉を待つ。 「まずロータスさん。任務お疲れさまでした。それについて少々聞きたいことがありますので、ステラさんと4階まで来て頂けますか」 「……何かあったようね。いいでしょう」 ロータスはステラ以上に街やオフィスに長居しない。任務がなくとも常に街の外を旅したり研究に勤しんでいる。そんな彼女は無駄を嫌うため要件は簡潔に。そこを違えなければ必ず協力してくれる。アイクを始めとする総務課職員はそこをよく熟知していた。
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