カム・アラウンド

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彼女がイヤイヤと首を振る、 その動作がホンモノの拒絶でないことが、 凄く嬉しい。 何故なら先刻から彼女は、 悦び ぬかるみ 締め付けているから。 軽く奥をノックすると、 彼女の口から甘い吐息が漏れる。 指だけで、こうなら… 想像だけでゾクゾクし、焦らす様に彼女の周りを巡っていた先端が疼く。 もっと彼女の気持ち良い場所を探ろうと、陰核の周囲とナカを彷徨う。 彼女が意図せずとも、 下半身から聞こえる水音が、 興奮を煽る。 指に絡み付く彼女の愛液。 口元が緩みそうになる。 不意に彼女の両腕が、首に抱き付いた。 途端、 匂いたつ彼女の香りが鼻腔をくすぐり、優越感は瓦解した。 所詮やせ我慢の上に成り立っていたアドバンテージだと知る。 ポタリ、ポタリと彼女に汗が落ち、気が付いたら馬鹿みたいに腰を打ち付けていた。 頭が快感に支配される。 ぐずぐずと溶ける。 お互いの汗が混じるみたいに、遺伝子も交じり、彼女と愛し合った証が欲しい。 だから 彼女に全てを注ぎ込む。 彼女からどう見られようと、 世代を継ぐ為という大義名分が無くても、 愛してるから彼女を抱く。 遂に、 やっと、 ここまできた。               (了)
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