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10 警察改革
ミネアポリス市長は異例の特別法案を議会に提出した。
議会は大揉めに揉めた末、これ以上、世界的規模に拡大した、ミネアポリスに対する黒人差別批判を回避できないと判断し、
「市の警察官全員に、黒人を採用する」
と決定した。
黒人が警察官となった場合、黒人警察官が白人市民を虐待することが懸念されたが、そのような事件はいっさいなかった。
しかし、警察官の職を奪われた過激な白人市民が、市と黒人警察官を根に持ち、市庁舎と警察署を襲撃し、南北戦争さながらの市街戦に発展した。
白人至上主義の差別意識は、白人市民の心に深く根づいていた。
(了)
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