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19 一刀両断
「始末するのは誰?」
私はクライアントに訊いた。
「ネットに私をセクハラする偽の情報が公開されてる。この公開した者をこの世から、葬って欲しい」
クライアントはスマホでSNSのネット情報を見せた。クライアントに対する誹謗中傷が数え切れない。
「わかりました」
私はその場で端末を操作してAIをコントロールした。
これで、クライアントの誹謗中傷がネットに上がる度に、情報をアップした者が、アップ情報のように行動したと自動変換してアップする。
しかも、AIは次々に自分の複製をネット上に構成する。言わばSNSの監視人だ。これを排除するにはインターネットワークを全面的に停止破壊して、再構成しなければならない。
クライアントのあらゆる偽の情報が、偽情報をアップした者が主人公としての情報としてアップされ、偽情報をアップした者はあらゆる時間とあらゆる場所で批判され、その後、その者の存在が無視された。
なぜなら、情報の発信源は本人だから訴訟は一切却下された。
その結果、SNSによる偽情報がいっさい消えた。
(了)
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