九限目

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九限目

「いよいよ終盤だな。出席番号十九番、目白」 「はい!」 先程の美談の勢いを消したくないのか、『目白さん』の返事は今日一番の大きさだった。 「目白、お前、国語の教科書に載ってる作者の顔、全部消えてたろ」 「はい……」 「あれ俺な」 「アンタだったのか!」 「あと生物の教科書の生き物、名前全部修正液で消されて全部『ゾウリムシ』になってたろ、あれ俺な」 「ああ、あれか!」 「あと、シャーペンについてる消しゴム、もれなく全部減ってたろ。あれ俺が使ってた」 「あれもか!」 「それと、自転車のチェーン外れてたのが直ってた事が度々あったろ。直してたの俺な」 「先生ぃ……♡」 『目白さんは』頬に手を当てて少し惚れた様な表情をしていた。
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