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一限目
「先生もうやめましょうよ!このままではみんなが『不幸』になる」
クラス一運動神経が良い『永峰君』が提言した。それでも教師寺田は止まらない。
「続いて出席番号四番、榎本。お前、エロ単語を見つけては、はしゃいでいたなぁ。とにかく……はしゃいでいたなぁ。ここだけの話、教師間でお前のあだ名は『エロ本』だったんだぞ?」
『榎本君』は居た堪れなくなり、
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と叫びながら教室を飛び出した。
「次、え〜と……出席番号五番、帯津(おびつ)。お前は最後まで名前を覚えることができなかった。すまない」
『帯津さん』は安堵の表情と、どこか寂しげな雰囲気を醸し出していた。
「先生、三年間も居てそれは酷いです!」
「そうだ、あんまりだ!」
クラスメイトからの「叱り」に寺田は
「だってぇ、優秀だし、手がかからない生徒だし……印象に残らなかったんだもん。しょうがなくね?」
褒めてるのか興味がないだけなのか、答えは曖昧ないまま、『サプライズ』は続いた。
「え〜と、出席番号六番、七番、八番、加藤」
生徒達は察した。
(この野郎、面倒臭いからまとめやがったな!)
『加藤』は男一人に女二人だ。皆、ここまで来ると何もないわけがないと疑い始めた……もうすでに何か起き始めている最中なのだが。
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