『わたしの恋に引導を。』

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 そうよね。康之先生みたいな人、見る目のある女の人なら放っておかない。  ……彼女さんも先生なんだ。どんな感じの──。 「……どういう方、あ! 何を──」  頭の中身がそのまま漏れてしまって、わたしは慌てて掌で口を塞いだ。いけない! 「……写真、見る?」  苦笑しながら康之先生が切り出した言葉に、わたしは一瞬迷ったけど好奇心には勝てなかった。  見たい。見せてもらいたい! 「あ、あの、……いいんですか?」 「いいよ。ただ、いい年して携帯に写真入れてるなんて恥ずかしいから黙っててくれよな」  先生がこちらに向けたスマートフォンのディスプレイには、ツーショット写真が表示されてる。  学校では常にスーツを着てるから見慣れない、カジュアルな格好の康之先生の笑顔。  わたしよりほんのちょっと目線が上だから百七十以上は確実にある先生よりも、少し背の高い女性が隣に居た。  お化粧も薄目でショートボブの、「厳しくも優しい先生」って雰囲気の人。
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