ダブルデート

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「車、俺運転する」 竜の車で行くことになり、拓海と一緒に後ろに乗り込む。 普通に座ってるつもりなんだけど…拓海が顔を紅くし、 「美姫…頼む、変わってくれ」って。 「ん?何で?」 竜と美姫が前のシートの間から後ろを覗くと、 「これは…俺が後ろに乗ろうか(笑) お前が運転しろ(笑)」 「させるかよ!それなら二台で行く」 「もう、仕方ないな(笑)いいよ。変わろ(笑)」 「ねぇ、意味が分からない」 拓海が前に行き、美姫が後ろに乗り込めばペチッと私の足を叩く。 「これが原因」 スリットから覗く足に拓海がヤられたみたい。 カーっと顔が紅くなり、助手席を後ろから叩いた。 「変態」 「違っ!イヤ…違わない。目のやり場に困る」 「健全でいいこと(笑)俺ならずっと拝んでる」 「えーじゃあ私が今度着て上げる(笑)」 「もう…帰る」 「ダメダメ!竜、早く出して」 エンジンがかかり車が走り出す。 朝から本当に疲れる。 いつもの様に昔の話から仕事の話。 テレビでの話など話題がつきない。 皆、笑ってて楽しそうで…私も心から笑ってる。 本当に懐かしい。 どのくらい走ったかな。 車を停めて、降りれば竜の腕に自然に腕を絡ませる美姫。 「今日ぐらい恋人ごっこしてよ(笑)」 「はっ?」「えっ?」 拓海と二人で竜達を見る。 「そうそう。デートだから手を繋ぐなり腕組むなり」 ニヤニヤしながらこっちを見てて…気持ち悪い。 「はぁー、お前ら言い出したら聞かねぇから」 拓海が私の手を取り繋いでくる。 「これでいいんだろ?」  「完璧。さぁ行こう!」 「いいか?」 繋がれた手を見て、私を見て確認する。 「…仕方ない(笑)いいよ」 竜達の後ろを拓海に少し引っ張られながら歩く。 「歩きにくくないか?」 「ん。大丈夫だけど、あんまり足開きたくないからゆっくり歩いて」 スピードを落として私のペースに合わせて歩いてくれる。 「ありがとう」 「いや、俺もあんまり周りに見せたくない(笑)」
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