2

2/8
244人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
◇ 「え、花純ちゃん離婚したいの?」 それは土曜日の昼下がり。 隔週に一度の、趣味でしているバドミントンサークルの練習を終え、 同じ、バドミントンサークルの美織(みおり)さんと、練習場の体育館の近くのカフェでお喋りする。 美織さんは、私よりも10歳程歳上だけど。 なんでも話せて、とても仲良くしている。 私が結婚を機にこの辺りに引っ越して来てバドサークルに入ってからなので、かれこれ一年の仲。 「うん。 前も話したように、私は結城先生と時々そうやって会ってて。 会えば会う程、結城先生が好きになって…。 そうすると、清太と別れたくて。 最近、触られるのもそうだけど、同じ空間に居るだけで耐えられなくて」 それは、嫌悪感に似ている。 とにかく、もう清太と夫婦として暮らして行く事が辛い。 私の好きな人は結城先生で、清太じゃないから。 「でも、結城先生には迷惑をかけたくないから、 清太には本当の事は言えない」 だから、いっそのこと、清太が浮気でもしててくれたら、って思う。 それを理由に、離婚を迫る。 けど、清太が真面目で真っ直ぐな性格なのは、昔から知っていて、それは難しいだろう。 「なら、花純ちゃんの旦那さんも、 私みたいに、夫が浮気をするように差し向けてみたら?」 美織さんにそう言われ、どうやって?と考える。 「美織さんの方は、そろそろ離婚するんですか?」 「もう少しかな? 今、必死で証拠を集めている最中」 美織さんは、現在結婚している。 結婚して六年程で、子供はまだ居ない。 美織さんは、普段、塾の講師をしていて、そこの同僚と半年程不倫をしている。 相手の男性は未婚みたいで、美織さんが無事に離婚出来たら、その人と一緒になろう、と約束をしているらしい。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!