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◇
「え、花純ちゃん離婚したいの?」
それは土曜日の昼下がり。
隔週に一度の、趣味でしているバドミントンサークルの練習を終え、
同じ、バドミントンサークルの美織(みおり)さんと、練習場の体育館の近くのカフェでお喋りする。
美織さんは、私よりも10歳程歳上だけど。
なんでも話せて、とても仲良くしている。
私が結婚を機にこの辺りに引っ越して来てバドサークルに入ってからなので、かれこれ一年の仲。
「うん。
前も話したように、私は結城先生と時々そうやって会ってて。
会えば会う程、結城先生が好きになって…。
そうすると、清太と別れたくて。
最近、触られるのもそうだけど、同じ空間に居るだけで耐えられなくて」
それは、嫌悪感に似ている。
とにかく、もう清太と夫婦として暮らして行く事が辛い。
私の好きな人は結城先生で、清太じゃないから。
「でも、結城先生には迷惑をかけたくないから、
清太には本当の事は言えない」
だから、いっそのこと、清太が浮気でもしててくれたら、って思う。
それを理由に、離婚を迫る。
けど、清太が真面目で真っ直ぐな性格なのは、昔から知っていて、それは難しいだろう。
「なら、花純ちゃんの旦那さんも、
私みたいに、夫が浮気をするように差し向けてみたら?」
美織さんにそう言われ、どうやって?と考える。
「美織さんの方は、そろそろ離婚するんですか?」
「もう少しかな?
今、必死で証拠を集めている最中」
美織さんは、現在結婚している。
結婚して六年程で、子供はまだ居ない。
美織さんは、普段、塾の講師をしていて、そこの同僚と半年程不倫をしている。
相手の男性は未婚みたいで、美織さんが無事に離婚出来たら、その人と一緒になろう、と約束をしているらしい。
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