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それから、離婚の話はスムーズに進んだ。 私の実家で、清太の両親と私の両親と、そして、妹の美子で一度話し合った。 「花純ちゃん、うちの清太が悪かった」 そう謝る清太のお父さん。 清太のお母さんの方は、泣きながら何度も私に謝ってくれた。 浮気の現場を見た私は、あのままアパートの部屋を飛び出し、タクシーで実家に帰った。 その後、何度も清太から電話が来ていたが、全て無視をした。 そして、翌日、清太が私の実家へと電話をして来て、 そのまま、この話し合いの場になった。 「清太君だけが悪いわけじゃないから。 ほら、うちの美子だって」 そう言うのは、私の母親で。 私の両親は、被害者の私の親だけど、加害者である美子の親でもあり、 どう話していいのか、その立ち位置に困っている。 「お姉ちゃんより、私の方が清君の事好きなのに! お姉ちゃんの方こそ、浮気してんじゃないの? 清君、昨日言ってたよ? 最近、お姉ちゃん変だって! 清君に、凄く冷たいんでしょ?」 やはり、清太は夕べそれを美子に相談して。 それを慰める美子に、好きだとか言われて。 それで、そのまま流されて…。 「清太、離婚して」 私が言えるのは、もうそれだけ。 特に清太に恨み言もない。 凄く謝りたい気持ちはあるけど、謝る事なんて出来ない。 「…分かった」 清太はそう言うと、耐えきれずというように、泣き出した。 何故か、美子までも泣き出して。 この場で、一番泣いてないとおかしい私は、涙が出なかった。
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