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同窓会の会場になったのは、 U駅近くにあるイタリアンレストラン。 そのイタリアンレストランのオーナーが、高校三年の時のクラスメイトの本田君のお父さん。 だから、本日は元3年5組の同窓会で店内を貸し切りにしてくれた。 私は、現在派遣で近所の卸しの会社で事務仕事をしているので、17時30分には仕事が終わり。 18時スタートから、少し遅れたくらいで参加出来た。 「うわぁ、花純久しぶり!」 「あ、京花(きょうか)」 自分の名を呼ばれて、その相手を見ると、 それは高校三年の時仲が良かった京花。 京花とは今もLINEでは繋がっているけど、 会うのは数年振り。 高校卒業後、お互い違う大学に行き、二年くらいは時々会うような関係だったけど。 いつの頃か、京花とは時々LINEするくらいの関係に。 「沢田、久しぶり。 あ、今は高畑か」 そう、私の旧姓のさわだ、と呼ぶのは、このイタリアンレストランのオーナーの息子である、本田君。 「そう。今は私は高畑花純だから」 私はちょうど一年前、24歳の時に。 高畑清太と結婚をした。 「お前と高畑、当時から本当に仲良かったけど、まさか結婚するなんてなー」 そう、本田君は言うけど。 私は昔から、いつかこのまま清太と結婚するのだろうと思っていた。 清太とは、いわゆる幼馴染みで。 私が小学校へ上がると同時に、両親が新築の建て売りの一軒家を買い。 同じように、隣に建てられた家に、 清太の家族が直ぐに引っ越して来た。 清太は一人っ子で、私は妹が居るのだけど。 昔から、よくその三人で遊んだし、 同じ歳の私と清太はとても仲が良かった。 そして、中学に上がる頃に、清太から告白されて、付き合い出して。 今に、至る感じ。 そんな清太の事は子供の時から大好きだけど、 これが恋じゃないと知ったのは、 本当に私が恋をしたから。
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