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その後は、結城先生に腕を掴まれ、
近くを走っていたタクシーを止めてそれに乗り込んだ。
「この場所から少し離れた辺りの、ラブホテルに」
結城先生は、私に何かを訊く事なく、タクシーの運転手にそう告げている。
この辺りにも沢山ラブホテルはあるけど、
そうやって離れるのは、同級生の誰かに見付からないように。
私と結城先生は、1駅向こうのラブホテルへとやって来た。
適当な部屋をエントランスの電光パネルから選び。
選んだその部屋に足を踏み入れると、
引き寄せるように抱き締められ、キスをされる。
気付いた時には、結城先生の唇が私の唇に重なっていた。
結城先生の唇は、少し厚みがあり、その感触も温もりもとても心地よかった。
キスだけで、もう身も心もドロドロに溶けてしまいそう。
結城先生の舌が私の口内に入って来て、
その舌に自分の舌を絡める。
暫く、そうやって深いキスをしていると、
突然、結城先生の方から唇が離れた。
「ベッド行こう」
そう言われ、横目で大きなベッドを目に映す。
「でも…シャワー浴びたい」
「俺ら、石鹸の匂いさせて帰れないだろ?」
そう言われ、ベッドヘ連れて行かれて、押し倒される。
結城先生は、コートを脱ぎ捨て、
私に体重をかけて来る。
その重みに、これは現実なのだと感じる。
ずっと、この人を見る事しか出来ないと思っていたのに。
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