1

9/9
前へ
/26ページ
次へ
お互い、着ているものを全て脱ぎ捨てると。 結城先生は、ベッドボードにある避妊具を付けて、私の中へと入って来た。 私は今まで清太しか男性経験がなく、 だからこそ、よけいに清太と比べてしまうのだけど。 同じように私しか知らない清太と違い、結城先生は慣れているのが分かる。 結城先生がどれ程女性経験があるのかは分からないけど。 清太よりも断然気持ちよかった。 「沢田…」 私の上で、結城先生は腰を動かし、そして、私にキスを落として来る。 「結城…先生…」 私は必死で、それを求めた。 その行為が終わっても、熱は冷めなくて。 ベッドの中、腕まくらをしてくれる結城先生に抱き着く。 「今度は、もっとゆっくりと会おう」 そう言われ、それに、はい、と応える。 結城先生に、 またこうやって会えるんだ。 本当に結城先生が好きだから、 これは不倫なのだと、認めたくなかったけど。 これは、不倫なのだろうな。 「あいつ、浮気してるみたいなんだ」 その言葉に、え、と結城先生の顔を見る。 それは、何を考えているか分からない表情で。 結城先生の言うあいつは、奥さんの事だろう。 「月田先生が浮気なんて…。 ないですよ…」 月田先生を、思い浮かべるけど。 本当に、女優のように美人で。 結城先生よりも、年齢は三つ程上だったはず。 「結城先生は、それで自棄になって、私と」 それで、私を抱いたの? 「さぁな」 それを、肯定も否定もする事はなかったけど。 否定をしない時点で、それは肯定なのだろう。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

251人が本棚に入れています
本棚に追加