1人が本棚に入れています
本棚に追加
ED 花火大会
フィリア。17歳。独身。
「はい死刑」
ドゴオォンッ!!
「お前らも死刑」
バアァンッ!!
「ああっ! ロメロ! 何度生まれ変わっても、あなたに恋をするわ!」
「ジュリア! 必ず迎えに行くよ! 僕たちはきっと出会う。何度だって!」
「」
ドゴショオオォンッ!!!
今日も今日とて、フィリア王は処刑する。
王にリア充であることを認識された者達は爆発する……それがこの国の決まりだった。
死刑囚たちが爆発する様を見て、公開処刑場を取り囲む国民達が歓声を上げた。
ゲーム内恋愛をしているカップル達が爆ぜる様を、花火を眺めるように楽しんでいた。
「フィリア王万歳!」
「フィリア王万歳!」
「フィリア王万歳!」
バーチャル・リアリティ・独裁国家シミュレーションRPG『メロスは走らなかった』において、フィリアは王位にあった。
「ふはははッ! 私が王になったからには、リア充は爆発する!」
遊び心で『リア充爆発法』を制定して以来、フィリア王は毎日ゲームにログインしては、毎日リア充を爆発させていた。
しかし――
「――もう、やめにしないか、こんなことは。誰も救われないじゃないか」
ある日、フィリア王は独り言のように言った。
「考えてみれば、間違っていたんだよ。ゲーム内にいるリア充達は、きっとみせかけのリア充であって、本物のリア充じゃないんだ。そんな悲しき者達を爆殺するなんて、よくないことだ」
最初のコメントを投稿しよう!