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「私に正しい現実逃避をさせろぉ! ゲーム内でイチャイチャするな! どうせネカマかネナベだろうばかたれが!」
フィリア王がいつになく幼児退行をした。
※ネカマ:インターネット上に存在する女と偽る男。
※ネナベ:ネカマの対義語。フィリアは13回騙されている。
「そうですね。しょせん、ゲーム。陛下が”どうせ”とおっしゃるように、ネカマとネナベが打ち上げる花火を眺めていればよいではないですか。愚かだなぁと楽しみましょう」
ビーンは玉座の周囲を歩き始めた。
「けど! 見てくれはリア充だもん!」
「陛下もリア充になればよいではないですか」
「リア充になったら爆発するじゃん!」
「そうですね」
フィリア王は発狂した。
「王じゃなくなる!」
「陛下、恐れながら……二兎を追う者は一兎をも得ずとも言います。
リア充爆発法を残すか、あなたが爆発するかのいずれかの道しかないのです」
「リア充爆発法を廃止して、私も爆発しない……そういう道だってあるはずだ!」
「ならば、リア充爆発法が残り、陛下も爆発する……そういう道もあるのでしょうね」
「あぁッ! ビーン大臣! お前は誰の味方なんだ!」
「スパノヴァルディア王国の味方です」
「〇ァック!」
王はFワードを吐き捨て、エビが跳ねるように玉座に座った。
※Fワード……使ってはいけない気軽に使われる言葉。慣れない凶器は自分を傷つけることになるので、使わない方がよい。
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