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「リア充爆発法の廃止を行う。賛成の者は右手を高く挙げたまえ」
フィリア王は、努めて冷静に宣言した。
すると、2万人が押し黙った。
「皆の気持ちは痛いほどわかる。悪法の廃止とは、すなわち我々が築き上げてきたゲームの世界観を壊すということであるということだ。
しかし、考えてみてほしい。我々とは何だ? 我々ネトゲ民が、リア充の真似事をしていることに、虚しさを感じたことはないか?」
――そんなこと……
――俺はっ! 虚しくなんかっ!
――リア充爆発しろッ!
――リア充とかもう死語だゾ
――嘘……だろ……?
「真似事をするだけならまだいい。
しかし、昨今、本物のリア充達がスパノヴァルディア王国民として紛れ込み、リア充爆発法をスリリングなアトラクションとして楽しんでいる!
これを我々が許すのか! 否! 許すわけがない!」
――おぉん? そんなやつおんの?
――俺達、仲間だと思ってたのに
――おうどん食べたい
――許せませんわっ!
「その通りだ! 皆なら分かってくれると信じていた!
では、大きく右手を上げようではないか!」
フィリア王はサクラを用意していた。その数1000人。
ありとあらゆるコネクションを駆使して集めた精鋭たち。
フォロワー114万人は伊達ではない。
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