幼女が探す迷い猫

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    「ここにいたんだね、にゃんにゃー。さあ、一緒に天国へ行きましょう……」  庭に埋められていた猫の死体を見つけて、幼女は成仏。  私は動けぬまま、その一部始終を見届ける形になった。  神様は不公平だ。  あの幼女には移動の自由も特殊な力もあったのに、どうして私には何もないのだろう。  地縛霊として、この土地に括り付けられてしまった。ほんの少し動く程度すら不可能だし、生者に干渉する力も与えられていない。  だから……。 「にゃー」  空き家となったこの場所に、今日も野良猫が入り込む。  しかし私は「しっ、しっ」と追いやることすら出来ず、のんびりした猫たちの姿を、ただ眺めるしかないのだった。 (「幼女が探す迷い猫」完)    
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