第4章 秘密の友達

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「希美、おはよー」 「おはよー、今日来るの早くない?」 「へへ、それがねえ、今日は寝坊しなかったんだよね」 わたしは自分の席に座って、窓の外をただ眺めるだけ。 いつもと変わらない日常だった。 でも、ときどき希美ちゃんと目が合って、それがわたしを明るい気持ちにさせてくれる。 “希美ちゃん、あのね――” 昨日、あれからわたしは希美ちゃんにあるお願いをした。 “あのね、教室では普段通りにしよう” “え?どうして?せっかく友達になれたのに” 希美ちゃんはこう言ってくれたけど、わたしは頑なに拒否した。 だって―― 「プリント出してない人いないね?もう出しに行くよ」
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