第4章 秘密の友達

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今日の朝が提出期限になっていた数学の課題。 いつの間に集めていたんだろう。 全く知らなかった。 慌ててカバンの中からファイルを取り出して、プリントを探す。 でも、プリントを掘り出した時には、もう係の人は職員室に向かっていた。 「あ……」 仕方なく、自分でプリントを職員室に持っていこうと、席を立った時だった。 「なにあいつ、気づかれなかったんだ。影薄いもんねー」 わたしのことを名指ししなくても、わたしのことを言っていることは分かる。 でも、わたしにとってはいつものこと。 だから、何も気にしない。 気にしなくていいと、何度も自分に言い聞かせた。
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