62人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、野々村さんのことそんな風に言わなくても」
教室を出るときに、希美ちゃんの声が聞こえた。
ダメ、希美ちゃん。
わたしをかばったりしたら……
「なに、希美。珍しいじゃん。あいつの肩持つの」
「別に肩持つとかじゃ……」
わたしを助けてくれようとしてくれたのはうれしい。
でも、そんなことをしたら、希美ちゃんが……
希美ちゃんがみんなの反感を買っちゃう。
そんなことさせたくなかったから……
わたしはあの時――
“あのね、教室では普段通りにしよう”
そう言ったのに。
「友達になったんじゃねーの?」
家に帰ってくるなり、翔哉くんは開口一番にわたしにこう聞いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!