第4章 秘密の友達

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きっと翔哉くんは、教室でのわたしたちのことを言っているんだ。 「友達だよ?希美ちゃんとは」 何かを疑うように、わたしをじっくり眺める翔哉くん。 彼とこんなに目が合うのは初めてだった。 「へえ、友達ねえ。教室で一言も話してないのに。それが友達」 「それはわたしが頼んだの。教室ではいつも通りにしようって」 まだ何か言いたげな翔哉くんは、リビングを出ていこうと体の向きを変えた。 でも、すぐに振り返った。 「それって今までと変わらなくね?」 「え?」 「そこまでして友達になる必要ある?」 翔哉くんと話せるのは嬉しい。 でも、まるで責められているような感覚になった。
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