第4章 秘密の友達

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「翔哉くんは、友達になりたいと思ったことはないの?」 学校での翔哉くんは、いわゆる一匹狼だ。 誰かと一緒にいるところや、話しているところを見たことがない。 いつもクラスでは怯えられている存在。 でも、翔哉くんだって、友達になりたいと感じていると思っていた。 「友達?はっ、いらないね。たった3年間の付き合いじゃん。仲良くする意味が分からないね」 ショックで頭が回らないという感覚を、この時初めて味わった。 友達がいらないという人がいるなんて思わなかった。 だって、わたしは 友達がほしくてほしくて、仕方なかったのだから。 「さみしくないの?」 「さみしくないね」
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