第4章 秘密の友達

7/14
前へ
/68ページ
次へ
あっさり答える翔哉くんに、あっけに取られてしまった。 「逆に野々村さんはどうして友達がほしいの?」 翔哉くんの問いに、すぐには答えられなかった。 どうして友達がほしいかなんて…… そんなこと一度も考えたことがなかった。 友達がいることが当たり前だと思ってたし、いないことが恥ずかしいことだとも思っていたから。 「それは……だって、人は一人じゃ生きていけないから」 まるで何かとテンプレのような答えしか出てこない。 「ふーん。俺は一人でも生きていけるけどね」 それはまるで、見下すような言い方だった。 わたしと翔哉くんは、似てると思ったこともあった。 でも、やっぱりわたしたちは全然違うかもしれない。 どうして、翔哉くんは一人でも大丈夫だなんて言うの? わたしは、その理由が知りたかった。 全くわたしとは違う考え方をしていたから。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加