第4章 秘密の友達

9/14
前へ
/68ページ
次へ
「家でできれば良かったんだけどね」 含みのある笑いを浮かべられて、すぐには言葉にできなかった。 「家族に反対されてるの?」 「別にそういうわけじゃないけど……」 「あ……」 いきなり踏み込みすぎたかもしれない。 まだ友達になって数日なのに、聞いちゃいけないテリトリーに踏み込んでしまった。 「ねえ、希美ちゃん。ここのシーンなんだけど」 慌てて話題を変えた。 でも、希美ちゃんの表情はこわばったまま。 どうしよう…… 嫌われちゃったかもしれない。 「えっと、鈴香ちゃん、そこはね」 希美ちゃんも何事もなかったかのように、わたしの質問に答えてくれる。 でも、わたしの心はちっともすっきりしなかった。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加