第4章 秘密の友達

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「鈴香ちゃん、スマホ鳴らなかった?」 「え?」 終わったらそのまま帰れるように、ここにはカバンを持ってきていた。 その内ポケットにしまってあるスマホを取り出してみると、希美ちゃんの言う通り通知が1件入っていた。 「誰からだった?お母さん?」 時々お母さんからラインが入るから、今回もそうだろうと思った。 でも―― 「え?」 メッセージは翔哉くんからだった。 「なに?何かトラブル?」 「あ、ううん。お母さんからだった」 希美ちゃんは、わたしとお母さんが離れて暮らしていることを知らない。 わたしが翔哉くんの家で居候させてもらっていることも。 だから、とっさに嘘をついてしまった。
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