<それぞれの春>

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昌希くんは大人の色気を身につけてかっこよさに磨きがかかっていた。 昌希くんの元カノはただのおばさんになっていていたし、今の私なら昌希くんの隣に立っても充分に釣り合う、幹事に連絡して昌希くんと直接連絡を取り合いたいと伝えると、昌希さんがOKしてくれた。やっぱり私のことが気になっていたに違いない。 食事に行くことになって、そこで一気に落とすつもりだ。 どんなエッチをするんだろう、昌希くんなら下手でも全然おっけーだけど。 予約を入れたというお店は、洗練されておしゃれな店だった。 今までオジサマ達に散々、高いお店に連れて行ってもらったが、この店のチョイスはポイントが高い。 ウキウキしながら昌希さんについて行ったが、何となく嫌な予感がした。 今までも、何度か修羅場になりそうになった事があったが、第六感的なものが働いて直前で逃げていた。今回も、まずいと思った時昌希さんに誘導され席に着くと目の前には、相馬秋彦が座っていた。 10年前に終わってるのに、いまだにスマホのパスワードを私の誕生日にしていたり、写真や動画まで取ってあったのが気持ち悪すぎた。 昌希さんの彼女が目の前のキモオヤジの娘なんて残念。 散々、いい思いをしたキモオヤジが金を返せとか言い出して 「自分の欲望てか、性欲?の為に妻子を簡単に捨てるような男のDNAを受け継いでる女とかやめた方がいいよ、昌希くん」 って言って昌希くんに選ばれていい気になってる女を牽制してやった。 でも、その女は 私に対して10年前の不倫の慰謝料を請求してきた。そんな事が可能なはずはない、私は慌てて帰った。 相馬美冬の名前で内容証明が届き、弁護士もやってきた。突っぱねようと思っても証拠音声で逃げられないことがわかり、私も弁護士に相談に行ったが出雲の嫁とその他の2人、そして美冬が最後まで戦う意思があると言われ結局、あのキモオヤジが頭金だけ入れてたあのマンションを売りに出してその代金で支払うことで終わりにしようと思っても中々売れず、売値が下がっていくし遅延金もかかるとか言われるし、今住んでいるマンションも出ないといけない。 飼っていたホストに金を持ち逃げされた挙句、愛人の嫁が手を回したらしくキャバクラを解雇になった。 他の店に面接に行ったがやっとてくれる場所がなかった。 何で私ばかり不幸なの
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