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行くところが無く研究室へ行った。
ソファに横になると、ここで行ったさまざまな痴態を思い出した。
刺激が欲しかった。
その欲望を叶えるための条件がここには揃っていたんだ。わたしは妻を愛してるし、太郎を愛している。あの子はまだ3才なのにとても優秀で将来が楽しみなんだ。
妻のお腹にはもう一人、二児の父親になるはずだったんだ。
翌日、典代が言っていたように沢山の段ボールが運び込まれ部屋が一杯になった。
弁護士が訪ねてきたから典代が養育費についての話し合いをするのかと思ったら、以前、単位をちらつかせて半ば強引にセックスした元ゼミ生がわたしを訴えたということだった。
今になってみると、何故それが当たり前にしていいことだと思っていたのか。
午後になって典代が依頼した弁護士が来て離婚届と養育費についての説明をして行った。
早急に部屋を探さないといけないっだろう。
数日後にはわたしへの処分が決定した、ことがことだけにさっさと処分をして追い出したいのだろう。
それだけのことをしたのだから。
ワンルームの部屋は段ボールで埋め尽くされる、これを荷解きしたら入り切らないのではないかと思うほどの小さな部屋だ。
ここから、これから二人の子供のための養育費を稼がなくてはいけない、すぐに仕事を探して予備校の講師になった。
ちょうど受験シーズンになり忙しいが現実を忘れるにはちょうど良い。
そして季節は春になり桜が咲き乱れている。
子供の成長を見守りたかったが面会は拒否されてしまった。
わたしと典代の接点は養育費を支払った証拠の通帳の書き込みだ。
何もかも無くした、そう思っていた。
桜は葉桜になっていた。
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