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<諏訪になります>
母さんに手を取ってもらってヴァージンロードを進む、その先には白のタキシードに身を包んだ昌希さんが微笑んでいた。
あっという間の数ヶ月だった。
悠也に別れを告げられて、朱夏の彼が悠也だと知り逃げ出した時に手を差し伸べてくれたのが昌希さんだった。
いつも肯定してくれて私を取り巻く問題も一緒に解決してくれた。
短期間で誰かを好きになることに自分自身が驚いたし不安になったけど、昌希さんはずっと私を思っていてくれたらしい、なんだか不思議な気持ちだ。
二人で誓いの言葉を読み上げると、母さんが泣き出してしまった。
親族の数に差が出てしまうことを配慮して人前式の簡単なものにしてもらったが、心のこもった素敵な式だ。
指輪の交換は二人で何度も練習した。
グローブをスマートに外すのは結構難しくて失敗すると笑い転げたりした。
誓いのキスは、何度もキスはしているけど、いつもとは全く違う。昌希さんの髪型が後ろに流してカッチリ固めているから?タキシードが似合いすぎてるから?そんなことを考えていたら終わっていた。
そして、なぜか希未さんまで号泣していて本当は感動して涙が出そうだったのに引っ込んでしまった。
「なんであいつが号泣してんだ?」
「素敵な式だからかも。これからもよろしくお願いします」
「墓の中でもイチャイチャしような」
「変な殺し文句」
式の後、二人で区役所に行って婚姻届を提出した。今日から私は諏訪彩春となった。
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