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「団長~、助けてくださいよ~」
「俺たちが悪いやつじゃないって、団長なら絶対証明してくれます!」
なんだか外から賑々(にぎにぎ)しい声がした。
「入っていいぞ」
俺が腰を摩(さす)りながら言うと、副官が男たちを縄でまとめて連れてきた。
「ラヴァン様、この者たちがあなたの知り合いだと言うのですが、間違いないですか」
「ああ、こいつらは騎士団の元部下達だ。先日の戦いでも、革命軍のために向こうの飛び道具を片っ端から使い物にならなくしてくれた」
「そうそう! さっきからそう言ってるのにこのわんこが~!」
「たしかにあの日、異様に敵国兵が弱かったのは記憶にあります。では彼らは我々に味方して、助けてくださったのですね」
副官はようやく納得いったのか、男達の縄を外してやった。
拘束を解かれた元団員達は改めて姿勢を正し、俺の方を向いた。
「団長、俺たちの団長はあなただけです」
「たとえ国が滅びようと、俺たちはどこまでもついていきます」
「また一緒に訓練して、呑みに行きましょう!」
「だから、俺たちをあなたの部下にしてください」
そう言い、深々と頭を下げた大男に俺は腕を組んで考えた。
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