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「それは構わないが、俺の部下になったところで仕事なんてないぞ? 今の俺は騎士団長でもなんでもないんだから」
途端に元団員達はゲラゲラと笑い出した。
「何言ってんですか、騎士団長の時でも仕事なんてなかったでしょう!」
それもそうかと思い、俺はツェリに頼んで彼らを城で雇えないか聞いてみることにした。
「で、あなたは俺以外の男と、楽しく言葉を交わしたという話か」
「いや、だから城に部下を雇ってくれって話だよ。あいつらは今回の戦の功労者だ。少しくらい良いじゃないか」
俺はベッドで隣に寝転んだツェリの体を抱きしめ、彼の顔を見上げた。
「なぁ、ツェリ頼むよ」
「……あなたのお願いには逆らえない。こちらで処理をしておこう。だが、部屋に他の男を入れたのは許せない」
「何だよ~! 昨日散々やられて、俺、全然ベッドから動けなかったんだぞ?」
ぱしぱしと彼の胸を叩いて抗議した。
しかしツェリは覆いかぶさるように俺を組み敷き、首元に鼻を突っ込んだ。
クンクンと匂いを嗅ぐと、目つきを鋭くさせて言った。
「ツェリ、今夜は匂いの付け直しだ」
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