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「あんたも、優しいとかそういう綺麗事で結局…!自殺をとめてやろうなんて…」
「違いますって」
少し八つ当たりしそうになったところを彼が強めの言葉で遮る。私は自分の声が他の卒業生にかきけされて誰にも聞かれていないことを確かめるとまた電話口に耳を傾ける。
「優しいっていう言い方が嫌ならこう言います。先輩は生ぬるいですね、やり方が。僕は家に帰るまで、なんて待てませんよ」
彼は淡々と言う。
「…え?」
私は彼の言葉にじわじわと嫌な予感を感じる。
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