にゃんにゃん

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 そんな彼氏だが、最近になってやっとオーディションが通り、仮団員になった。それも、超がつく程の有名な劇団である。出演する舞台で劇団のお偉方に認められれば、正式な劇団員となり安定した給料が貰えるようになるとのことで彼氏は気合が入っていた。あたしはこのヒモ生活からの脱却が出来るかもしれないと期待するのであった。 「それで、どんな舞台?」 「タイトルは『猫の集会』色んな猫の群像劇。家猫だったり、野良猫だったり、色んな猫の話をサイマルで公開してくの」 「ミュージカルや漫画でありそうな話」 「でな、俺ら出演者は『猫』になりきるんだ。だから、お前にも協力して欲しいんだ」 「え? 協力って?」 「俺、今日から役作りで猫になりきるからよろしく」 あたしも彼氏とふざけて「猫ごっこ」たる遊びはやったことがある。あたしが彼氏に猫のようにじゃれ合ってくっついたり、語尾に「にゃあ」とつけたりするだけの極めて下らないものだ。それと同じノリで良いかと思い、あたしはそれを了承するのであった。 「うん、頑張ってね」 「にゃあ」
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