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大翔は村人たちに感謝をしながら、ルーチェと一緒にポエルを待つ。ルーチェは大翔のその人気っぷりに驚いていたが、
「ま、救世主様だもの、当然よね」
そう言って笑っていた。
さて、しばらく立っていると、遠くから祭り囃子のような音楽が聞こえてきた。それを耳にしたルーチェが、
「来た来たっ!」
そう嬉しそうに口を開く。どうやら、この祭り囃子のような音色に乗って、移動しながらポエルが舞を舞っているようだ。
大翔も祭り囃子に耳を澄ませながらポエルの登場をルーチェと共に待っていると、
シャリン……
シャン……
そんな鈴の音色と共に、巫女姿に身を包んだポエルが見えた。そのすぐ後ろには護衛のために付いている、オトの姿もある。オト以外にもポエルの護衛として何人かの村の守衛が、ポエルの周りを囲んでいた。
「凄いべ……」
その厳かな雰囲気に、大翔は気軽にポエルへと声をかけることができない。ただただ、その舞の美しさに息を飲んでいる。
(こんな綺麗な舞、初めて見たべな……)
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