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それを見ていた他の二人のヤンキーが殺気立ち、同時に大翔へと殴りかかってくる。大翔は右から来たヤンキーの拳をすっとよけると、手に持っていたスクールバッグをぐるっと回してヤンキーの後頭部を殴った。そのままの遠心力を殺すことなく、左側から殴りかかってきたヤンキーへスクールバッグを当てようとするのだが、それをヤンキーは危機一髪でよける。
田んぼのあぜ道で乱闘に発展したヤンキー三人と大翔を止める者はいなかった。しばらく殴り殴られを繰り返していた四人だったが、
ガッ!
「うっ……!」
大翔の後頭部に強烈な一撃が見舞われる。大翔は反射的に自身の後頭部を押さえ込んだのだが、
(は?)
突然襲われためまいに立っていることが叶わず、平衡感覚も失われてしまい、そのまま意識を手放すことになってしまうのだった。
「おぉ……! さすがはポエル様……!」
「本当に召喚されてしまわれた……!」
「シト様とポエル様に、祝福を!」
(ん~……。うっせぇな……)
大翔は自分の周囲がやけにざわついていることに気付いた。ピクッと眉根を寄せてゆっくりと目を開けてみる。そこには、
(……、谷間?)
豊満な胸の持ち主にだけ許された、指がすっぽりと吸い込まれてしまうのではないかと思えるほどの谷間が見える。
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