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目の前の少女の頭からは二本の垂れた、白いウサギのような耳が生えている。サファイアを思わせるブルーの瞳はまん丸で、さながらウサギを擬人化したようだ。ピンクブラウンの髪は長く、腰の下まであるように見える。服装は巫女のような格好である。
そこまで見てから大翔は再び、目の前の美少女の顔を見上げた。美少女は少し不思議そうに大翔を見つめていたが、目が合うと優しく微笑んでくれた。
「私は、このジャポニア村で祈祷師をしています、ポエルと申します。失礼ですが、言葉が分かるようなら、あなた様のお名前を教えて戴けませんか?」
目の前の垂れウサギ耳の美少女は、自らをポエルと称した。大翔はそのポエルの言葉にはっとし、
「俺は、大翔」
「ヒロト様、ですね!」
大翔の名を聞いたポエルと名乗った目の前の美少女が歓喜の声を上げた。それから大翔に目線を合わせるようにしゃがんでいた上体を起こすと、
「救世主の降臨です! 皆さん、ヒロト様に拍手を!」
ポエルの朗々とした宣言に、今まで状況を静観していた周囲から歓声が上がる。大翔はその歓声に驚いて周囲を見回すと、
「ポエル様、万歳! シト様、万歳!」
「救世主に、祝福を!」
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