卒業を控えている

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卒業を控えている

 中三の早紀は卒業を控えている。まだ寒い冬である。放課後のクラスの外を眺めている早紀は無表情である。 「えへへ♡」  そう言って抱きついてきたのは、同じ中三の亜美。 「だから、学校で抱きつくな」  早紀はそう言って亜美をぐいっと押し離す。  うけけ♡ 亜美ったら。  今のは早紀の心の声である。  心の声がデレデレ。 「だって~? そろそろ卒業じゃん」 「だからって、場所を考えろ」  ちなみに、早紀と亜美は別々の高校に進学。卒業するとなかなか会えなくなりそうだ。 「早紀? チューしよ」 「だーかーらー、場所を選べ!」  亜美は早紀に、チューしようとぐぐぐと迫っている。それを早紀は亜美の顔に手で阻止しようとぐぐぐと押さえている。  かわいい♡ 亜美ったら。  またしても早紀の心の声が。 「早紀、離れたくない」  うるうるとした瞳の亜美。  それを見て早紀は辛抱たまらなくなった。 「仕方ないな? 亜美、チュー、しよ?」 「うん♡」  めでたし、めでたし。
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