2847人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
「常務、おはようございます」
「おはよう津田島さん。今日もよろしくね」
「よろしくお願いいたします」
週明けの月曜日。
私は何食わぬ顔で出勤して、常務に挨拶をして秘書室に入った。
自分のデスクに腰掛け、パソコンを起動しながら立ち上がるまでコーヒーを一口。
隼也の家から帰宅してから、私は土日の間ずっと悶々と考えていた。
あれからずっと当たり前のように鳴り続けているスマートフォンには、隼也からの連絡が続いていた。
書き置きを見ていないのだろうか。
"舞花、どこいった?家帰ったの?"
"書き置き今気付いた。家で寝てんの?"
"舞花、起きてる?"
"舞花?何度もごめん。これ見たら連絡ちょうだい"
"充電切れてる?"
きっと、どうやって帰ってきたのか覚えていなくて、目が覚めたら全裸だったから何があったのか聞きたいのだろう。
もしかしたら、私と何も無かったというのを改めて確認したいのかもしれない。
私はと言えば、通知分だけでそれを読み、メッセージの中身を開くこともせずに返事もしていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!