2847人が本棚に入れています
本棚に追加
だって。
何か返事をしたら、墓穴を掘ってしまいそうで。
実際に会いでもしたら、どんな顔をしたら良いかわからなくて。
何も無かったような振りなんて、絶対できない。
そう思ったらズルズルと連絡できない時間が続き、そのまま無視してしまっている状態が続いていた。
だからって、このままじゃダメだってことは自分でもわかっている。
始業時間まではあと数分ある。
スマートフォンを握り、意を決してメッセージを開いた。
"ごめん、土日ずっと具合悪くて寝てたから充電落ちてたの気付かなかった"
そんな、わかりきった嘘をつく。
するとずっと私からの返事を待っていたのか、すぐに隼也からの電話が鳴った。
しかし、もう始業時間だ。
『あ、舞花!?やっと連絡ついた』
「ごめん。もう仕事始まるから切るね」
『あ、おい!』
これは嘘じゃないから。
そもそも隼也だって仕事だろうに。私にかけてきて一体何をしてるんだか。
隼也に申し訳程度に適当なスタンプを送信して、立ち上がったパソコンでメールチェックを始めた。
最初のコメントを投稿しよう!