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突然、外で、ズドーンという破裂音がした。ドアの鍵の部分が、部屋の内側へふっとんだ。男たちが乱暴にドアをあけて、飛びこんできた。先頭は年上の男。妙な剣を左手に持っている。後から続いた年下のスキンヘッドの男は、拳銃をかまえていた。ゾンビ化した四匹の猫たちが、いっせいに男たちのほうを向いて、毛を逆立てた。
おやめ、お前たち。逃げるのよ。
エマの心の叫びは、声にならなかった。
猫たちが男たちのほうへと駆ける。先頭の男が、奇妙な剣を抜いた。細長い、片刃の剣だった。まるで細長い包丁のようだ。ヒュー、ミィ、ジェイの順に、男に飛びかかろうとした。男が空を切り裂くように、剣を二、三度振った。三匹の猫たちの首が――。
スパッ。
まるで熟れきったトマトのように切られて、宙を飛んだ。
ダニエルといっしょにやってきた灰色の猫は、後ろのスキンヘッドの男をねらった。男の顔めがけてジャンプした。男の拳銃が火を吹き、猫の頭をぶちぬいた。床に転がる猫。その頭をねらって、若い男はなおも一発、二発と拳銃を撃った。猫の首から上は吹きとんだ。
すべてはあっという間の出来事だった。
ああ……。
エマは嘆いた。あたしのかわいい家族になんてことをしてくれたんだ。
もちろん、涙は出なかった。
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