24人が本棚に入れています
本棚に追加
よろりと立ち上がり、縄跳びを咥えてご主人さまの手元にポトリと落とす。
ご主人様は縄跳びを手に取りしばらく眺めた後、こたつの上に置いた。
そして、私の頭を優しく撫でる。
違う。
そんなことを要求しているんじゃない。私は外に行きたいんだ。
ご主人さまの手を振り払い、軽く指を噛んでみる。昔はよくこの行為をして外に放り出された。きっと今日も外へ放り出してくれるはずだ。
そう思ったのもつかの間、ご主人様は私を抱えて膝の上に置き、再び頭を撫でる。
何故か、その手はぎこちなく、まるで壊れそうなものに触れるようだった。
最初のコメントを投稿しよう!