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「俺だ。犯人は魔界を統べるもの魔王さまだ。大至急、応援を頼む。シットとサットも呼べ、それから自衛隊も出動させてくれ、俺たちで勝てなかったら魔王にミサイルぶっぱなせ!」
「お、俺一人にそこまでするのは卑怯だぞ警察っ!!!」
唐突に慌てふためく自称・魔王だけど、そんなことしたら僕たちまで吹き飛ばされちゃうよ。
「わかりました、じゃあ俺一人でいいんですね」
「ふ、ふはははは、いいだろう。警察が全力で来るというのなら、こちらも粛正魔法メギド・フレイムで消し炭にしてくれるわっ!!」
自称・魔王は独り言のように呪文を唱え始めた。
「偉大なるミオヤモトツ・ヤハウェ観世音菩薩よ、父と子と精霊の御名において塵は塵に灰は灰に滅びよ悪しき愚民どもっ!庵、俺様史上そわかと畏み畏みもうまおす」
「粛正魔法メギドフレイム? これはファンタジー世界では、敵全体に大ダメージを与える、爆発属性の魔法。つまり、自称・魔王は、爆弾を起爆させてあたしたちを巻き込む算段だわ!」
むち探偵は、はっとしたように推理した。爆弾って、そんな伏線どこにもなかったけど、キレたら手が付けられないことを考えると説得力がある。
「でも、魔王も爆発呪文の影響受けるんじゃない?」
「そうだ。だが俺は、異世界に転生して爆発から逃れてやるっ! よって永遠に俺のターンとなるっ!」
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