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だがすでに子猫を捨てた人のことなど、考えたところで仕方がない。とりあえず智希がわざわざ拾って連れてきたということは、彼はここで子猫を飼う意思があるということだ。幸いこの家は大家に申告さえすれば、ペットの飼育が可能な物件である。
「でも猫の飼い方わかんないなぁ。とりあえず検索……」
家の条件的に問題ないとはいえ、楓佳自身猫の飼い方などまったくわからない。飼育のためにはペット用品をそろえる必要があるはずだが、何が必要なのかすらわからないので、ここは文明の利器をフル活用して知識を得ることにする。
「なんかどれの特徴にも当てはまらないような……ミックスってことかな?」
そのついでに猫の種類を調べてみたが、一般的に知れ渡っている猫の品種の特徴に完全一致する外見はしていない……気がする。ならば混血種と考えるのが妥当だろう。とりあえず猫は猫だよね、と結論付けて飼い方の検索を再開する。
「わあ……猫を飼うって大変なんだなぁ……」
最低限必要なペット用品、餌とおやつ、健康管理用品、ストレスを解消するためのおもちゃ。予防接種と定期的な健康診断。もしまだ覚えていないのであれば、トイレやごはんを覚えさせる必要もある。
「うーん? 君は男の子かな?」
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