ナツ。

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『ナツ!ナツ!』 息の仕方はアキに噛まれて揺すられてかろうじて思い出した。 『大丈夫?!』 じゃなさそうだ。 何だろう、この感覚。 ふわふわして、ぐるぐるしてる。 さっきアキに噛まれたところが痛いだけで、あとは何もない。 部屋に差し込んでいた明かりはいつの間にか無くなった。 暗くなったからだろう、アキの顔がよく見えない。 『ナツ!えっ、どうしよ!えっ?!どうしよ』 さっきからアキはオレの周りをぐるぐるぐるぐる回る。 目回りそうだよ……。 『だめ!目閉じちゃだめ!』 じゃあ落ち着いてくれよ。 オレはこんなにも落ち着いているのに。 足に力が入らないのに、心臓がとっても早く動くんだ。 息もちゃんと吐けなくて、荒くて、体が小刻みに動くのは分かるんだけど。
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